雉子舎のテーブルについて
雉子舎の職人たちがその品質に自信を持ち、家族の中心に置いて頂きたい製品があります。
それが、ブックマッチテーブルを中心とする、天然無垢の木のテーブル

雉子舎がつくる3種類のテーブルを、ご紹介します。
ブックマッチとは、もともと一本の木の隣り合わせだった2枚の板を、面していた側を本の見開きのように組み合わせ、スリットを持たせて接合した、左右対称の木目を楽しむ板です。
ブックマッチテーブルのつくり方

材料は一枚板テーブルと同等のものを使用します。
ただし、ブックマッチの美しさは同じ模様が左右対称に並ぶことにありますから、製材をした時点でブックマッチに向いていると思われる木だけを、ブックマッチテーブルに仕立てることになります。

製材後の板は、加工後の反りやねじれを防ぐために、1年以上自然乾燥させます。
特に、ブックマッチテーブルは2枚で一対ですから、その乾燥条件も同じになるように配慮する必要があります。
下の写真がその様子。隣り合わせの板同士が、一対になっているのです。

ブックマッチ加工前の板、2枚の板を一対として並べ、乾燥させている様子。

ブックマッチテーブルの天板は、スリット入りとスリット無しがお選びいただけます。

スリット入りの天板は、対照になっている木目をより引き立たせるようデザインされています。
また、スリットの間に汚れが入ってしまってもしっかりと拭き取れるよう、裏側に指の入る分だけの隙間をつくっています。
もちろん、スリットの無いタイプもブックマッチの美しさは十分が味わえますので、
お好みで選んで頂ければと思います。

左右対称の木目が美しい、ウォルナットのブックマッチテーブル 左右対称の木目が美しい、ウォルナットのブックマッチテーブル
雉子舎では、一般的に呼ばれる「接(は)ぎ合わせテーブル」を「ナチュラルテーブル」と呼んでいます。

接ぎ合わせとは、2〜4枚の板を接合してつくる天板のこと(下図参照)。
両端は、耳と呼ばれる木材の曲線部分(木の表面)を残して仕上げます。

耳付接ぎテーブルのつくり方


天板の裏側には蟻桟(アリザン)という反り止めが入っています。
天板の反り止め。蟻桟(アリザン)

テーブルに使用する板材は、すくなくとも1年以上、自然乾燥させます。
その間に、板には反りやねじれが生じます。
(「板」という字が「木へん」に「反る」と書くのは、そんな性質に由来しているという話も…)。

反りやねじれなどの、テーブルにとって望ましくない性質が出きった頃合いを見計らって、テーブルは作られます。
それでも最近の高気密住宅や、エアコンや暖房の使用といった住環境は、私たちの想像以上に木にとって過酷な環境です。
これまで生育してきた自然環境に比べて、温度や湿度の変動が大きいので、木もそれにあわせて収縮を繰り返します。

そのような動きを無理に抑えこむのでなく、木が呼吸するままに収縮させながら、フラットなテーブルとして反り止めをきかせるには、蟻桟という加工法がいちばん適しています。
天板の裏側に、片側から蟻桟(アリザン)を打ち込んでいく、ビスなどの金属は使わない
天板にV字型の溝を掘り込み、片側から反り止めの桟を打ち込みます。天板と桟は摩擦だけで固定されるため、木の膨張・収縮を妨げることはありません。しかも反りを最小限に食い止めることができる、自然の理にかなった工法です。

できる限り自然のまま、生きているまま、木を活かすということ。
それが、私たちの家具づくりの原点です。
天然無垢の材料を使った、世界にたった1枚の「一枚板テーブル」。
木の風合いを丸ごと活かした贅沢なテーブルは、特別な存在感を持っています。

トチの一枚板を座卓で使用した例

雉子舎は飛騨高山の森の中にある小さな「家具工房」です。
大量生産はできませんが、確かな腕を持つ職人によって、1点1点丁寧に作られています。

鑿(ノミ)を使って、チギリをはめ込むための穴を手作業で調整する職人

雉子舎がつくる一枚板テーブルの最大の特徴、それは、材料となる木材の選び方です。
木は天然の産物ですから、人と同じでそれぞれ個性を持っています。すらっとした木、ゴツゴツした木、年輪を重ねるごとにその時間を幹に刻んでいます。
そんな目で木と向き合っていると「その木との出会い」が訪れます。

天板の程よいアクセントとなっている虫食い穴たとえば右の写真、なにやら天板に黒い模様が入っています。
これはカミキリムシの幼虫が木を食べながら移動した跡、つまり「虫食い穴」です。
それを、天板とは別の色の木の粉で埋めました。
虫食いが程よいアクセントになり、このテーブルの魅力を一層引き立てています。

これらを「木の個性」として活かし、職人の技術と感性をもって、個性的な一枚板に仕上げます。
職人たちは、丸太を製材する段階から「この木をどう引き立てるか」ということを常に考えています。木との出会いから家具づくりは始まるからです。
「この幅だとダイニングテーブルに良さそうだな」
「この割れはそのまま生かしてみようか」
「じゃあ、このあたりにチギリを入れてみよう」
そんなやりとりが、木1本1本、板1枚1枚に注がれているのです。


世界で一枚だけのテーブルだからこそ、自然が偶然つくり出した美しさと個性をどこまで引き出せるか。それが、私たちの仕事だと考えています。

製材後の様子、職人たちが木を活かす方法を話し合う